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Run.run and fly. ーハイキュー!!ー

第1章 東北自動車道 下り


「何々?何の話?」

座席から首を伸ばして日向が顔を出した。

「・・・またアイツはアイツでアイスなしでもすぐ腹下すし・・・・」

「気にすんなよ、ツッキー。兎に角自分の腹を壊さなきゃいんだから。ホラ、景色がキレーだよ。宮城とあんま変わんないけど・・・・あ・・・・」

車窓を指差して月島の気を紛らわせようとした山口が、口を噤んだ。

「ん?」

山口の様子に、澤村が、菅原が、月島が、そして日向が揃って車窓に目をやった。

隣車線を同じブルーベリー観光のバスが並走している。サイズも乗客数も外観もほぼ同じ貸し切りバスだ。

ただ違うのは、あちらは設備の充実した小型バスで、こちらは乗ったら走るだけのマイクロバスという事。

「・・・・おい。何で二口がマイク持って歌ってんだ?」

「茂庭とデュエットしてねえか、アレ?」

澤村と菅原が真顔でやり取りする。

「あー、伊達工だ!!!バスん中でTV観てるよ!?何アレ、何アレ!?コナンくん観てる!?た、田中さんッ、大変だ!!!伊達工が金持ちバスに乗ってます!!!」

日向が素っ頓狂な声を上げて田中の袖を引っ張った。

「あぁ?」

やかましいと言わんばかりの顔で田中がユラリと腰を上げる。

「あッ、バカ、日向、田中にあんなモン見せたら・・・ッ」

今の今まで大人しく座っていた東峰が慌てて立ち上がって網棚に頭をぶつけた。

「っちィィ・・・あッ、田中ッ、いいから座っ・・・」

「・・・・・あぁ?」

東峰の制止も効かず、田中は見てしまった。隣の楽しそうなバスを。

「何だあらァァ!!??」

「うわッ、田中さん!危ないーッ!!!」

グバッと窓を開けて飛び出しかねない勢いで身を乗り出した田中の腰に、日向がすかさず抱きついた。
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