Run.run and fly. ーハイキュー!!ー
第4章 青少年会館ー宿舎ー
牛乳の口を開けかけた二口がもんどり打つ。
「ふざけんなですよ」
三白眼を光らせてゆらりと二口を見下ろす景山の手に、ケロヨンの黄色い桶。二個目。
一個目は二口の頭をストライクして、廊下の床に転がっている。
「俺がどんだけ湯上がりの小岩井牛乳を楽しみにしてたと思ってんですか、このウ"ォゲー!!」
「知るかこのウ"ォケエェ!!!!一日何回人の頭にモノぶん投げてんだ、テメエはッ!!駄目だろ!?駄目だ!!そんなことじゃ!やられた方はなんぼ痛えと思ってんだ、あ"あ"!?」
「あ"?何が何回だ?そんなんみんな忘れました。スンマセン!」
「悪ィと思ってねんなら謝るなァ!反って腹立つわ!」
「わかりました。ざまァみろ」
「がっ、テ、テメエ!」
「…馬鹿だ。馬鹿と馬鹿がせめぎ合ってる…」
茂庭の呟きに答えかけた笹谷がくしゃみした。
青根がひっそりとジャージの上を脱いで笹谷に差し出した。
「…青根。気持ちだけ受け取っておく。何か変だから引っ込めてくれ。微妙な空気を作らんでくれ。俺はか弱い女子じゃない」
「フ。タオル一枚のか弱い女子が風呂場から飛び出て来るってどんだけドリームよ?あり得ないから」