Run.run and fly. ーハイキュー!!ー
第3章 盛岡梅誠高等学校
「ハハハハ、何でよ?面白れェじゃん、たまたま。なあ、コケシ?」
鎌先が豪快に笑い、田中は膝を打って受けている。
「ボールだけにっスね!だはァ、二発目決まってりゃますますたまたま・・・て、誰がコケシだゴラ、この鎌先きんに君がぁ!」
「き、きんに君ン!?」
「風の噂に聞いてンだぞ、伊達工の鎌先筋肉バカセンバイの話はァ!」
「な、ばッ、何の風だ、そりゃ!?あ、二口か!?二口という風か!?そうだろ!?うちにゃ他にそんな風ァ吹かす奴ァいねえぞ!?ぅおいッ、二口いィ!!??」
「はい?僕は二口じゃありませんよ。一口だか無口だかですよ?ひどいな、先輩たちがそう決めたんじゃないスかァ。今更二口なんて呼ばないで下さいよ~」
「テメエだな!?やっぱりテメエだな?絶対テメエだろ?他校に変な事吹き込んでンじゃねえぞ、おい!」
「俺じゃありませんよ、青根ですよ」
「堂々と嘘ついてんじゃないよッ、アンタってコはよ!する訳ねえだろ、青根が!大体アイツが噂話なんて始めたら全部話終わる前に皆じいちゃんになるわ!考えてモノ言え、騙されねえからな!」
「じゃ小原だ」
「何ッで小原がそんな事すんだよ!?今だって全然こっち無視してフツーに練習してる小原が?さっきから俺のアイコンタクトさらっさらに流しっぱなしの小原が?ありえねえ。無口な二口よりあり得ねえ」
「ああ、わかりました、鎌先さん。黄金川っスよ。これならどうだ!」
「あれ?そういや黄金川は?お前にくっついてねえなんて珍しいな」
「アイツは昨日俺のグミを開け損なって校庭にばら蒔いたから絶交中です」
「・・・小学生かよ」
「だってグミですよ!?酸っぱいグミなんスよ!?酸っぱ過ぎて蟻も避けて通る俺の好物をばら蒔きやがって、ぜってえ許さねえ」
「・・・小学生だろ」
「あぁ!?何なら乳幼児だって構わねえっつう話っスよ!マジ許さねえ、あのヤロウ」
「・・・小学生じゃん」
「ほっといて下さいよ!兎に角犯人は黄金川!わかりました!?」
「お、おう・・・何かもういいや。・・・グミに血相変えてるお前見てたら、何かよくなった。グミに較べりゃ俺の事なんか大したこっちゃねえな。うん」