Run.run and fly. ーハイキュー!!ー
第3章 盛岡梅誠高等学校
「・・・何でうちと伊達工呼んじゃったの、おたくら?」
いっそ感心した様子で二校の部員を見比べていた宮沢に、月島がボールを渡して呆れ顔をした。
「さあ・・・僕が呼んだんじゃないから・・・」
正直に呟く宮沢の肩に手をのせて、月島は苦笑いする。
「君も犠牲者のクチか。・・・ネームの縫いとり、宮沢になってるよ。早く直して貰いな。ミサワくん」
「・・・・・・いや、これで合ってんだけど・・・」
背中を向けた月島に空しく言いかけた宮沢の背後から、舌打ちがした。
「チッ」
ビクッと振り返ると、口を尖らせた影山だ。
「俺だって気ィ使って突っ込まなかったってのによ、デリカシーがねえ」
「・・・ネームの事?・・・いや、コレ間違ってな・・・」
「いいって。もう覚えたからよ。ミサワ」
鷹揚に頷く影山に何か言いかけた宮沢は、谷地に伴われて体育館を出て行く野村を目に止めて口を噤んだ。
「大丈夫かな」
「あン?」
「野村さん、女の子に免疫ないから」
「オメエはあんのか?」
「・・・何でそういう話になるの」
「さあ?」
宮沢は曖昧に笑いながらつくづく呟いた。
「君たち、ホント・・・面白いねえ・・・・・・」