Run.run and fly. ーハイキュー!!ー
第1章 東北自動車道 下り
「誰が死ぬってか!バカタリが!」
「だって田中さん変な顔ンなってたスよ!?ビックリしますよ、ビックリしますって!!」
日向が顔の前でアワアワ手を振りながら一生懸命訴える。田中の拳は頭同様ダイヤモンドは砕けない仕様だから、一発食らうのは何としても回避したいところ。
「僕は君たちの騒がしさにビックリだよ。逃げようもない公共の乗り物でこの大騒ぎってどうなってんの」
ひとつ後ろの座席に座って、頬杖をついて車窓を眺めていた月島がうんざりしたように言って、斜め下に顔を俯ける。
「ホントに高速道に置いてったらいんだよ、全く・・・」
「ハハ、普通に走ってついて来そうだよなー」
隣に座った山口のコメントに月島は深い深い溜め息をついて、眼鏡を指の甲で押し上げる。
「・・・ハイウェイパトロールに回収されりゃいんだよ、チッ」
「あはは、キツいなぁ、ツッキー」
また菅原が顔を出す。
「そんな事言ってると、お前も外に投げ出すよ?アイツらと一緒に回収して貰ったらいいべや。ハイウェイパトロールのバスより狭い車内で、キョーチョーセーが養われるといいな、月島」
「・・・菅原さん、キョーチョーセーじゃありませんよ?」
「ん?太字強調狙うなら字画の多い協調性よりキョーチョーセーだべ?アイツらにも伝わり易いし?」
「さ・・・策士・・・・」
月島の呟きに菅原はにやぁりと笑う。
「セッターだからな」