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Run.run and fly. ーハイキュー!!ー

第3章 盛岡梅誠高等学校


「もう!にいちゃんたち宮城帰れよ!バレー諦めろよ!ネコ吉が赤ちゃん産めないじゃないか!」

京介と名乗った小学生が、真っ黒く日焼けした顔の中で大きな目を三角にして三人に非難の視線を向ける。

「メスだろ、あの猫?ネコ吉?お前もうちょっとかわいい名前にしてやれば?」

体育館に忍び込んだ京介に、最初に袖を引っ張られた西谷が顔をしかめる。

「・・・・・」

その西谷にジャージの裾を捕まれて巻き添えを食った青根が苦笑する。

「ニャン子とかニャコ美とか?」

京介に引かれて体育館を出た二人を好奇心で追いかけた日向が首を傾げる。

「えぇ?何ソレ?ネコ吉にひっかかれるぞ」

「何で?いいじゃん、ニャン子!ニャコ美!」

「犬ならワン子で鳥ならピヨ子だろ?簡単なにいちゃんだなー」

「猿ならエテ子で象ならパオ子?簡単だな、確かに。日向らしくていいじゃん?」

「ライオンならガオ子で狐ならコン子かよ?」

「おお、分かりやすくていいじゃねえか?」

「じゃにいちゃんたちもデカ男とチビ太郎とチビ次郎だな。分かりやすくていいよな!?」

「わははッ、お前面白いなー」

京介の頭をぐりぐり撫でて、西谷が鉄格子に手をかけた。

「とにかく、よッ」

力任せにそれを引っ張る。

「こうしてたってッ、どうにもッ、なんねえッからッ、手伝えお前らッ!」

「て、手伝えったってノヤっさん、ノヤっさんが邪魔で格子に手がかけられないス・・・・」

「俺のッ、腰をッ、引っ張れッてのッ!!!」

「よしッ!」

京介がサッと西谷の後ろに回ってその腰に腕を回した。

「そ、そうかッ!成る程!」

日向もハッとして京介の腰に腕を回す。

鎌先が予見した突っ込み不在の蟻地獄が展開し始めた。

一人青根が迷うように首を傾げたが、それも西谷の一喝で吹き飛ばされる。

「コラッ、あ、おねッ!いち、ばん、デカ、いッ、テメエがッ、がッ、手伝わ、手・・・ッ、んがあぁッ、くっそッ、手ッ伝えッ、コラッ」

「・・・・・・・」
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