Run.run and fly. ーハイキュー!!ー
第2章 紫波サービスエリア 下り
「ごめん!バアちゃん苦いの呑めなかった?呑めない?てか、何でブラック!?俺のバカ!」
「・・・・・・・」
アワアワする日向に青根が大きな手をかざして宥めるようにオタオタする。
おばあさんは苦いコーヒーと甘いコーヒーを見比べている。
「どうした?お前ら何やってる?」
フッとおばあさんの後ろに青根ほどではないが、これまた大きな影が射した。
「あ、旭さん!」
日向がその人影にベソでもかきかねない顔を向けた。
東峰は青根と日向を見て苦笑した。
「お年寄りを困らせちゃ駄目だろ?どしたの?」
「おう?バアちゃんBOSS派?しっぶいねえ」
東峰の後ろからヒョッと西谷が顔を出す。にかッと大きく口を開けててんで邪気のない笑顔でおばあさんの手からひょいとブラックを取り上げる。
「あれ?ノヤっさん!追い付いたんスか」
日向が目をパチクリさせた。
「腹、もう大丈夫なんス?」
「んー?治った。と思う。腹減った。な、影山」
BOSSブラックをひねくりながら、西谷が斜め後ろを振り返る。
「・・・こんなん呑んだら夜寝れなくなるぞ、バーさん」
影山が、顔をしかめてムッツリ言った。
「年寄りは大人しく牛乳にしとけ、ぎゅうにゅ・・・ブ」
影山の頭を張った東峰が、おばあさんへ困ったような顔でニコッと笑いかけた。
「もしかしてうちの後輩が迷惑かけましたか?すいませんね」
自分も軽く礼しながら、日向と自分よりデカイ青根の頭を無理に押さえてぐいと下げる。
「やややや、なってもなっても。とんでもねェごった。にいさんだぢなはァ、おいどこ助けてけだんだよ?あれまんつ、止めてけで?申し訳ねはんス」