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Run.run and fly. ーハイキュー!!ー

第2章 紫波サービスエリア 下り


「いや、取り合えず青根よりコイツらの方がしんぱ・・・」

「いやいやいや、だーって小原。考えてみ?この人出だよ?うちの191はまあその気になればすぐみつかるけど、こっちには人混みに呑まれたらとうもろこし畑に入っちゃった子供並みに見つかりづらい人がいるじゃん。どぉ考えても差し迫って問題なのはこっちだろ?」

笹谷と鎌先を押し退けて二口が顔を出した。

「何ソレ?ソフト?旨そうだねえ?」

「食うか?」

コーンの先っぽを突き出した西谷に二口はニコッと笑った。

「ううん、全ッ然要らね。オレ、何かしょっぱいモン食いたいな。行こうぜ、小原」

「待て。塩辛ソフトだぞ。しょっぱいと言えなくもない・・・かも知れない」

溶けかけの食べ掛けのソフトを突き出した影山に、二口はヒクッと笑った。

「・・・ねえ、いくらくれるったって誰が食うの、こんなん?」

「・・・・」

無言でこっちに顎をしゃくった影山に、二口はカチーンときて一歩前に出た。

「止めろって!遠征前から揉めてどうすんの、お前らは!」

慌てて二人の間に入った茂庭に、二口が素っ頓狂な声を上げる。

「え?て事はコイツらも遠征!?しかもまさか梅誠に!?ウソでしょ!?」

「へ?伊達工も梅誠に遠征?はー、そっか。よろしくな!」

屈託なく笑った西谷を二口がいや~な顔で見た。

「ええ~?何かヤな予感しかしなぁい・・・」

「ヤな予感じゃねえ。もうヤな感じだ」

影山がいや~な顔で返す。

「あれ?西谷に影山?」

ぬっと影が差して、烏野の東峰が顔を出した。

「何だ、追い付いたのか。・・・あー・・と、・・・・どうも・・・・」

伊達工の面々を見回して、きまり悪げな表情を浮かべる。

「あ、ヘタ・・・・」

「おう、東峰」

何か言いかけた二口をぐいと横に押し避けて、笹谷が東峰の前に立った。

「烏野と合同遠征なんて初めてだな?三日間よろしくな」

差し出された手をためらいがちに握り返して、東峰は八の字眉で笑った。

「ああ、よろしくな」

「梅誠バレーは女子部こそ春高の優勝経験もある強豪だが、男子部は設立して間がない。・・・どんなチームなんだろうな?」

東峰の退き気味な態度を流して笹谷が腕を組む。

「ちょっと前まで女子高だったからな、梅誠は」

「かわいーコがいっぱいいそうだよな!?」
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