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Run.run and fly. ーハイキュー!!ー

第2章 紫波サービスエリア 下り


紫波サービスエリア下り。

GWだけあって、そこそこ広い駐車場はほぼ満車状態だ。

「いやー、やっぱGWは混むわ。凄ェな。色んなナンバーがあるぞ。鹿児島、茨城、香川、新潟、富山、那覇?那覇って何だっけ?」

伸びをしながら駐車場を見回した鎌先が、全く見慣れないナンバーに目を瞬かせた。

「何って地名でしょ?」

欠伸混じりに答えたのは二口。一見真面目そうな七三ヘアを風になびかせながら、憎まれ口の二の句を吐き出す。

「那覇は沖縄。沖縄ですよ?てか鎌先さん、よく那覇読めましたね!凄いじゃないですか!ぁだッ」

ガチンと拳骨を食らって二口は頭を抱えた。

「余計な事言うな、お前は」

笹谷が手を振ってしかめ面をする。

「なんでそう一言多いんだ?余計な事を言うくらいなら口を聞くな。無口になれ」

鎌先を宥めていた茂庭が苦笑いして首を振った。

「二口にそんな事言ったって無理だよ。にしても思ったより人出があるな。迷子になるなよ、青根・・・」

振り向くと、伊達工の191センチが見当たらなくなっていた。

「あれ?青根?さっきまでいたよな?どこ行った?」

「青根ならさっき自販機の前でちっさいバアチャンと何か話してたぞ」

「ん?ああ、サンキュ、西谷。旨そうだな、何だ、ソレ?」

「んあ?なんつったっけ?影山?何かしょっぱいソフト?」

「塩辛チーズソフトっス。別に塩辛かねえよな。何だ、コレ。旨いけど」

「・・・・・あの・・・・烏野もここでトイレ休憩?」

大口を開けてソフトをかじる西谷と、それこそ自分が塩辛い顔をして塩辛くないソフトに口を尖らせる影山を見比べて、茂庭は鼻の下の人中をくぅっと伸ばした笑みを浮かべた。

「知らねえ。オレらはトイレだけどな?何せ朝から下し腹でさ」

「・・・何で塩辛よ?アホか。一個もイカ入ってねえし・・・」

「ガリガリくんは五本までだな!?無理して食っても十本からは食い過ぎだ。腹壊れる。な、影山?」

「大体塩辛はソフトじゃねえだろ?白飯だろ?しかもチーズって何だ、ボケが!旨いからっていい気になんなよ!?海の幸語ってんじゃねえぞ、このヤロー」

「・・・・おい、小原。烏野探して来い。ここに厄介な迷子がいる」

「え?青根じゃなくて烏野探すんスか?」

クリクリ坊主の小原がキョトンと茂庭を見る。



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