第7章 戸惑う心
「そっすね。
オペ室に連絡お願いしまーす。
こっちでも出来るだけ処置するっす」
「そうね。
どうしても手に負えなかったら神崎先生に連絡しましょう?」
「うっす」
決して神那の名前は出さない恵。
恵先生って神那先生居ないと張り切るんだなぁ。
なんかのびのびって感じ。
俺が勝手にそう感じてるだけかもしれないけど、なんとなく胸に閊えるものがある。
「何してるの?
あなたも手伝ってちょうだい」
「あ、はい」
なんとなくだけど……ちょっとやりにくい。
年齢としては恵先生の方が上で先輩の筈だけど……。
何かが決定的に神那先生と違う気がする。
少しだけ……ほんの少しだけ何かが胸につっかえる。
けれどそれが何なのかはまだよく分からない。
神那先生の言葉はスッと自分の中に入って来るのに、どうしてだろう。
「俺は何もすれば良いですか?」
「そんなの患者が来てから考えればいいわ。
難しそうな患者だったら、悪いけど他の病院に行ってもらいましょ」
「……」