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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第5章 機械と呼ばれる理由


その正体を語るのはまだまだ先になるかもしれない。



Piiii……。



神崎のPHSが震えた。
画面に表示されたのは病室番号。ドクターコール。



「ドクターコールだね。行こう、水原ちゃん」
「あっ、はい!」



ドクターコールのかかった病室に急いで向かうと病室のドアは開け放たれていた。
中からはバタバタという騒がしい音がする。



「どうしたの?」



中へ踏み込むのと同時に尋ねる神崎だが、現状を見て一瞬固まってしまった。



「っ、神崎遅い。数分前から暴れてるみたい。
譫妄(センモウ)が出てる。抑制剤持って来て。
私が押さえていられるのもそう長くない、凄い力」



バタバタとベッドの上で暴れている患者さんを両手両足を使いなんとか押さえている神那ちゃん。
息も乱れていて、ほんの少しだけの格闘じゃないことを物語っている。






【譫妄】
意識レベルが低下したり混濁することにより幻覚や錯覚が見られる状態。






患者は水口たえ、67歳。
今日から入院している患者さんで普段は大人しい。
けど今はまるで人が違うみたいだ。
両手で拘束を解こうとし、両足は神那ちゃんを蹴り落とそうとバタバタさせている。
譫妄は人によって出ない人も居れば強く出てしまう人も居る。
原因は人それぞれだけど、究明よりもまずは先に患者さんの容態を落ち着かせることが最優先だ。
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