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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第4章 現実


「だって訴えるって言ってるんですよ?裁判ですよ?
普通は取り乱しますって」
「私に過失はない。
裁判になったって勝因はある、司法解剖すれば私がミスしてないと証明出来る。
問題はない」



脚を止めずに一方的に口を開く。
裁判が怖くちゃ外科医なんてやってられない。
そんなものに都度ビクビクていたら、救える命も救えなくなる。



「問題だらけですよ!
裁判になったら時間も取られるし、何より神那先生の名前に傷がつきます」



名前に傷?



「名前とかそんなの心底どうでも良い、興味無い。
オペにリスクは付き物。
どんなオペでも不測の事態が起きない確証はないし、救命に居たら尚更瀕死の患者を扱う。
いつどこで誰が亡くなってもおかしくないの。
リスクが怖かったら外科医なんてやってられない。
怖いなら内科医に戻って」



ビクビクしながら過ごされても迷惑なだけ。
怯えた医者は中途半端な処置しか出来ない。



「俺はっ、神那先生のことを心配して……」
「私がいつ心配して欲しいなんて言った?」
「そんな言い方しなくても……」



急に脚を止めるフェロー。
事実を言っただけだ。
私は心配して欲しいなんて一言も言っていないし、不要な心配をされるだけイライラする。



「君と居ると不愉快になる」



そう残して歩いて行く。
フェローは廊下に立ち止まったまま動かない。
私には私のやり方がある。
それを否定されているみたいだ。
神の手、奇跡、運命……。
君の発言にはイライラする要素が多い。
外科医を舐めてるとしか思えない。
憧れならドラマの中だけにして、現場に持ち込まないで。
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