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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第3章 救命の過酷さ


「見回り終わりました。病棟、異常ありませんでした」



恵が見回りから帰って来た。
看護師が定期的に見回りをしているから、医者の見回りはそこまで時間を掛ける必要はない。



「そう」



机に肘をつき、医学書の付箋のついたページを開く。
医学は日々進化している。
我々はより新しい医学を学ぶ必要がある。
そうすればより簡単で早く施せる治療もあるから。
医術の遅れは=患者の死に繋がる。
少しでも多くの症例を、技術を学ぶ必要が常にある。



「神那先生、お勉強ですか?」
「いちいち聞かないで。見れば分かるでしょ。
ただ居るだけなのは時間の無駄。
時間は有限、効率的に使えない医者は埋もれていくだけ」



時間は限られてるんだから有効活用するべき。
私が自由に使える時間は他の救命医よりも少ない。
ヘリで出動する上に神崎分の書類も片づけているから。
僕書類ダメなんだよね、お願い……って会って早々言われた。
神崎分の書類もやる代わりにその他の雑務をやって貰っている。



「君も暇なら救命患者のカルテ読んでおいたら?」
「あ、はい」



救命患者全員分のカルテを渡す。
救命に居る患者は容態の変化が激しい。
少しでも多くの情報を知っていなければ、いざという時に動けない。
問題が起きてからその都度カルテで確認していては、本当に急を要する患者を助けることは不可能。



「お、多いですね……」
「必要なことは全て頭に叩き込んで。
情報不足は時に命取りになる。
パソコンの共有フォルダにも電子カルテがあるから、手が空いたら常に確認」
「は、はい」



情報が把握出来ていなければ何も出来ない。
カルテを確認している時間がない場面だって当然ある。
かといって、そんな初歩的なことをいちいち教えるのも面倒。
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