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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第1章 神の手と称される者


「立場とか歳とかそういうの本当に興味ない、心底どうでも良い。
そんなものは現場では通用しない。
私は自分より上か下かで判断する」



それ以外の判断基準は必要だと思えない。
青島は普通に考えても私より下。
腕は悪くないけど、特別良い訳でもない。むしろ普通。



「ははっ、そうだな。
じゃあ頼んだぞ。霜月の方が上なら適任じゃないか」



……嵌められた。
私がこう返すと思っての言葉だったのだろう。
フェローを置いて爽やかに笑いながら去って行く青島。
これから先が思いやられる……。
イライラしてガタンと音を立てて席を立つと。



「どこ行くんですか?オペですか?」



質問が来た。



「回診。着いて来なくて良いから」
「そういう訳には行きませんっ。
より近くで勉強させて頂きます!」



どう言っても着いて来るので諦めて無視して歩くことにする。
気にするだけ無駄。
だったら居ないものとして行動するのが得策。
フェローに構っている程私は暇じゃない。



「それにしても神那先生って凄いですよね」



私が歩く後ろを小走りで着いて来る。
煩い。せめて黙って歩けないのか。



「馴れ馴れしく名前で呼ばないで。
君とそんなに親しくなった覚えはないしなる気もない。
目障りだからどっか行って」
「行きません!神の手を近くで見学するんです!」
「は……?」



フェローの言葉に自然と眉間に皺が寄る。



「えー、別に良いじゃないですか。名前ぐらい。
それに皆言ってますよ?
某有名医大を首席で卒業した、神の手の持ち主だって!」



神の手……ね。



「バカみたい」



子供の発想とまるで変わらない。
むしろ子供以下?
冷たい目でフェローを見る。
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