第17章 起点
「亜城西救命セン…」
『ヘリ要請ですっ』
私の言葉を遮り、大幅に省略して告げた。
「消防名、現場、患者情報。
まずはそれを教えて」
『あっ…すみません。
亜城消防です。
場所は亜城海岸、ヘリコプターの墜落事故です。
飛行中のヘリコプターがなんらかの原因で海へ墜落しました。
負傷者不明です。
我々も現在現場に向かっている最中です』
「分かった、出動する。
詳細分かり次第無線で知らせて」
『はいっ』
「神崎、藤代、飛んで。
患者数、怪我の度合いは不明。
今現在では予測不可能。
開胸、切開、縫合、蘇生、考えられるセットを持って行って。
海だから溺死の危険性もある。
足りなければナースに往復させるか近くの病院から借りて。
それから血液多めに」