第17章 起点
「おはよう、昨日はありがとう」
「いえ!」
「どう致しまして〜」
「おおきに」
「書類もやっておいたよ」
「神崎が?」
あの書類嫌いの。
「そうそう。
純さんてばやれば出来るんやで?
結局俺や水原よりもこなしてはったし」
「そう」
普段からやれば良いのに。
「神那ちゃ…」
ドゴンッ‼︎
耳をつん裂くような騒音。
まるで何かが追突、もしくは墜落したかのような。
どちらにしろ嫌な予感しかしない。
ステーションに緊張が走る。
「なっ、何事ですかね⁉︎」
「慌てない。
慌てても良いことなんか1つもないから」
「は、はい」
「俺確認取って来ますわ。
皆はここで待機しとってや」
「待って!」
ステーションを出ようとする藤代を呼び止める。
「なんでなん?
状況確認は早い方がええやろ」
「電話」
タイミングを計ったかのように、ちょうど電話が鳴った。