第16章 命は皆大切なのだ
「んまぁ…そりゃなれるよ。
けどね…神那ちゃんと “ 同じ ” 努力なんて早々出来るものじゃない。
僕には無理だもん」
「あ、俺もアカンわ」
「そんなに厳しいんですか?」
「厳しいなんてものじゃないの。
年間何百冊と医学書を読み込んで、オペを見学して、失敗を恐れずチャレンジ、そして練習をする。
患者や医者に正面から向き合い、常に冷静で居れるよう感情をコントロールして、自分にしか出来ないことを見つけた。
僕には真似出来ないな。
そんな地道な努力をコツコツ続けることなんて」
「やって普通は人の見てるとこで努力するやろ?
自分の頑張りを認めて貰いたくて。
けど神那さんは人に見られてないとこでも同じように、もしくはそれ以上の努力を続けたんや。
しかも1日も怠らへん。
凄いとしか言いようがないやろ?」
「…はい」
確かに早々真似出来ることじゃない。
根性や信念、覚悟がなければなし得ることは不可能だ。