第16章 命は皆大切なのだ
「前にちょっとだけ聞いたことがあるんだけど、興味ある?」
「何をです?」
「神那ちゃん流のオペ練習」
「あります!」
聞かなきゃ損だ。
「豆腐とコンニャクを脆い神経組織に見立てて縫合をするの。
豆腐を皮膚、コンニャクを糸としてね。
それが出来るようになれば精密なオペもこなせるようになるよ」
「でもあれホンマにムズイで?
俺すぐボロボロになってまうもん」
「流石です…神那先生」
やっぱり俺はあなたに会えて良かった。
学ぶのなら、あなたから学びたい。
と、隣で静かな寝息を立てる神那先生を見て思った。