第16章 命は皆大切なのだ
ステーションへ戻ると変わった光景が目に入った。
「珍しいね、寝ちゃってる」
机に伏せて無防備に眠る神那先生を優しい瞳で見つめる神崎先生。
「水原ちゃん、掛け布団ちょうだい」
「あ、はい。どうぞ」
「ありがと」
起こさないよう、そっと掛け布団を肩にかける。
「俺が来た時にはもうこれやったで?」
神那先生の机に積まれている書類にせっせと取り組んでいる藤代先生。
「たまには純さんも手伝うたらどうです?
今日ぐらい神那さんをゆっくり休ませたってください」
「…やれやれ、仕方ないね」
他の書類をいくつか手に取り、自分の机へと持って行く。
「水原もやで。
普段神那さんに世話になっとるやろ?」
「…はい」
まだ自分の書類も残ってるけど…頑張ろう。
「神那先生と同じ努力をしたら俺も神那先生みたくなれますかね?」
ふと思ったことを口にする。