第16章 命は皆大切なのだ
「覚悟って…」
「君が神那ちゃんから学ぶのはそれだと思うよ。
もちろん技術もだけど。
感じたことないかな?
あの瞳に映る強い意志を。
相手が誰だろうと、自分がどんな目に遭おうと決して変わることのないあの瞳。
覚悟を決めて前に進む人ってのは綺麗なものだよ。
綺麗で、眩しくて、暖かくて、強い」
「…俺、覚悟探します。
自分にはどんなものが必要か、もう1度最初から考え直します」
「うん、それでこそ水原ちゃんだよ。
笑顔が1番」
ニッコリと穏やかに笑う。
すっかりいつもの神崎先生だ。
「さて水原ちゃん、神那ちゃんのところに戻ろっか。
きっと疲れてるだろうから休ませてあげないと」
「そうですね」
神崎純。
神那先生が認めただけある、やっぱり凄い。
医者としても、人としても。