第15章 感情で動く、愚かな医者
「どんな時でも味方で居てくれる人よりも、どんな時でも中立な立場で居ようとしてくれる人の方が良い。
そういう人なら一緒に居たいと感じる」
「そういうものですかね?」
「間違いは間違いだと諭してくれる方が良いに決まってる」
「確かにね」
ピーンポーンパーンポーン、とチャイムが鳴った。
「…」
外来でしか聞かないその音に耳をそばだてる。
『コードグリーン、コードグリーン。
院内庭園にてコードグリーン発生。
手の空いている救命医師は処置室へお越しください』
普段はお越しくださいなんて言わないのに。
死傷者人数は少ない、か。
だから混乱を防ぐ為に最小限の人数で、ということだろう。
「コードグリーン…!」
「おいおい、冗談でしょ…」
「コードグリーンってなんですか?」
バタバタと処置室へ向かおうとしている2人に話しかける。