第12章 実力社会
だから必然的に勉強に没頭するようになったのだ。
勉強は1人になれるし、色々と役に立つし、何より楽しい。
新しいことを覚える時のあの快感は忘れられない。
「神那先生ってどんな子供だったんですか?」
どんなって…。
「根暗、陰湿、人見知り、子供っぽくない。
そんな感じ」
なぜここまで話してしまうのか。
心を開いてしまっているのか、ただ単に誰かに話したいだけなのか。
最近自分のことがよく分からない。
「人見知りだったんですか?
子供っぽくないのはなんとなく想像つきますけど」
「あの頃は誰に対しても敬語を使ってた。
声量も小さくて引きこもり。
母親としか口をきかなかった」
「なんか想像つきません」
「想像しなくて良いから」
「神那先生って…」
PPP…。
無線がフェローの言葉を遮った。