第8章 助かる、助からない
ヘリへ乗り込むと今日のヘリ担当である神崎が連絡を入れた。
「亜城西ドクターヘリより日吉消防へ。
詳しい状況入って来てるかな?」
『こちら日吉消防です。
えー、たった今救出が終わったところなので詳しいことはこれからです』
「先生方、まもなく着きます」
操縦士の言葉に着陸準備をする。
消防車による放水が終わった地にヘリが降り立った。
ヘリから降りると真っ先に目に入ったのは車体がひしゃげ、横転した白い車だった。
「ここって2次災害の危険はないよね?」
「大丈夫です」
消防に確認し現場へと近づく。
「神那ちゃん胸の方診て。
僕も同時に頭の方診るから」
「分かった」
確かにその方が効率が良い。
それぞれ診断にかかり、まず私は意識レベルを確認する。