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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第8章 助かる、助からない


感情を持たず常に無表情だから機械。


そう名づけたのはお前達だろうに。


感情を持たない機械がどう私情を挟むのか教えて欲しいぐらいだ。


お弁当を適当に3つ手に取り会計を済ませ、来た道を戻って行く。





医者の世界は実力主義であるべきだ。


権力など毛ほども必要ない。


コネでのし上がり権力を得た偉い人間と、権力こそないが腕はある医者となら選ぶべきものは後者だろう。


現場において権力など無意味に等しい。


必要なのは腕と覚悟だけ。


現場に行かない者にはそれが分からないし分かろうともしない。


何もない現場と最新の医療器具の揃った手術室。


この差は大きい。


難易度で言えば現場の方が何倍も上だ。


その場にある物と人材で命を助ける。





麻酔科医が居る。

看護師が多く居る。

外科医の助手が居る。

経過時間が正確に分かる。

替えの器具がある。

輸血もある。

怪我の心配もなく患者は1人。




それがオペ室の中であり、現場とは正反対のところだ。



現場とは戦場だ。


生きるか死ぬかの瀬戸際に居る患者をありったけの知恵と技術を使って助け出す。


神経を削りながら知恵を絞り出す。
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