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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第8章 助かる、助からない


1番混雑する時間帯の廊下を人を避けながらスタスタと歩いて行く。
まぁ私が避けなくても大半は自分から避けるのだけど。
途中途中でかけられた声の大半は同僚からの形ばかりの挨拶だったので無視した。
社交辞令に付き合う程暇じゃない。


“ 仕方ねぇ、機械に睨まれでもしたら飛ばされかねねぇからな。”


皆そんな目をしていた。
何を誤解しているのか知らないけど、私にそんな権力はないし興味もない。
でも私をこの病院に引き抜いたのは外科部長の青島であり、私の自由を許しているのは病院長であるからだ。
恐らく私が告げ口すれば自分の首が危ない、とかそんなことを考えたんだろう。


……くだらない。
たかがそんな理由でしたくもないご機嫌取りをするなんて。
そんなことをしてなんの為になる。
機嫌を取れば技術が身につくの?患者が救えるの?




*****



売店へ入ると迷うことなくお弁当売り場へ脚を運んだ。
この時同じく選んでいた医師がハッと息を飲んだのは言うまでもないだろう。
そして別のものを見るようにしてさり気なく距離をとった。



告げ口をしたところで一体私になんの利益があるのか。
加えて言うならそんな私情を私が挟みそれを病院の長が許すとでも思うのか。
いつから医者は実力主義から権力主義に成り下がったのだろう。
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