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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第8章 助かる、助からない


「あれ、神那ちゃんどこか行くの?
回診の時間じゃないよね?」
「売店」



お昼は用意していないし人で混雑する食堂に行くのも嫌だから。
適当に買って、時間をかけずにサッと食べたい。
いつ緊急の要請が来るかも分からないし、悠長に食べてなんかいられない。



「そっか、もうそんな時間だもんね。
僕もお腹空いたなぁ。
あ、そうだ。
僕のお昼も一緒に買って来て欲しいなぁ」


壁に備わっている電波時計に目をやりながら甘えた声を出す神崎。



「はぁ?」
「あ、ほな俺のも頼んます。
もちろんお金は払います」
「どうして私が?」



意味不明なんだけど。
自分の買い物ぐらい自分で行ったら良い。
人が何を食べたいかなんて知らないし考えたくもない。



「だって動くの面倒なんだもん」
「切り替えろ」
「神那ちゃん、口が悪いよ」


誰のせいだと思ってるんだか。


「ね?お願い」


神崎が上目遣いをしても可愛くない。
ここで言い争ってても時間が勿体ない。


「はぁ……同じもので良い?」
「もっちろん、さすが神那ちゃん。
ありがとう」
「おおきに、神那さん!
買って貰ったもんに文句は言わへん」


なんで私がこんな使いっ走りみたいなことを……。
バカみたい。
イライラして溜め息を吐きながらステーションをあとにする。
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