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【医療】Leben 〜レーベン〜 <修正中>

第1章 神の手と称される者


「どんな状況かな?」


緩んでいた顔を引き締め、処置室へ入ると同時に尋ねた。



「患者は17歳男子。
2階ベランダから転落したことによる頭部損傷。
及び軽度の腹部損傷、肩の骨折。
瞳孔左右差なし、バイタルは安定。
落ちた部分が花壇になってて衝撃は最小限に抑えられてる」





【バイタル】
生命兆候のこと。
血圧、脈拍、呼吸、意識を指す。
最近では痛みも含む場合がある。






要点だけをまとめて簡潔に説明する神那ちゃん。
うん、やっぱり神那ちゃんの説明は分かりやすいね。
素早く、知りたい情報だけを述べてくれる。



「見る限り頭部の方が酷そうだね。
CT撮った?」



処置室内を忙しなく動き回る看護師に尋ねる。



「まだです」





【CT】
コンピューター断層撮影。
人体に様々な角度からX線を当て、水平方向に輪切りにした断面画像をコンピューター上に展開する装置。





必要ないと思うけど念の為。
だって出血も少ないし他の数値も安定してる。
ただの打撲もしくは脳震盪(ノウシントウ)ぐらいにしか見えないんだけどね。





【脳震盪】
頭を強く打った時、ボーッとなったり気を失ったりする状態のこと。





「じゃあ急いで撮影してくれるかな?」
「もしオペになるようなことがあれば呼んで」
「はいはい」



神那ちゃんも大したことないって考えている。



「……この程度ならヘリも私も必要なかった」



そのまま処置室から出て行こうとする神那ちゃんの背中に声をかける。


「CT結果見ないの?」
「待ってるだけ時間のムダ。
それなら直接話を聞いた方が早い」



相変わらずだねぇ。



「あっ、ま、待ってくださいって!」


慌てて追いかける紫音。
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