第1章 聖なる夜?
折角のクリスマスなのにイブには間に合わないし、シャンパンこぼすし。
俺、かっこ悪い。
「ねぇ」
でも、俺にはこの日のために買っておいたプレゼントがあるんだ。
これで起死回生。
ごそごそと鞄の中からプレゼントの袋を取り出した。
「これ」
ゆりなに差し出しす。
「え?なに?」
「開けてみて。悩んだんだけど。喜んでくれるかなぁ?」
嬉しいって言って、にこにこしながら袋を開ける。
「かわいいー」
「ちょっと、重いかな?って思ったんだけど、実はペアリング」
って、自分の手を見せた
「ホントだ」
「はい!今日イチまぶしい笑顔いただきました」
よっかった、迷ったけどコレにして。
「どの指にしようかな?」
「お、貸してみ?」
指輪を持って、俺はゆりなの左手を取って薬指にはめた。
目をキラキラさせながら指輪を見つめてる。
そんなゆりなのせいか?キャンドルの明かりのせいか?
急にたまらなく愛しく感じて、そのまま手を引いて抱きしめた。
「ずっとー、一緒にいようね」
そう、耳元でささやいた。