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玉森くんとクリスマス

第1章 聖なる夜?


やっと、彼女のマンションまでたどり着いて合鍵をガチャガチャと取り出し部屋に入る。

「あれ?」

部屋の中がやたらに暗い、と思ったら。

「おかえりー」

ゆりながリビングの扉を開けて出てきた。

「なんか暗くない?」

そう言ってゆりなごしに奥のリビングを覗き込んだら何個かのキャンドルがゆらゆらとした光で部屋を照らしていた。

「キャンドル焚いてたの?」

「うん、そう。綺麗でしょ?クリスマスだし」

そう言って、ニッコリ笑った。

その笑顔と暖かい炎の色に一瞬で癒される。

ソファーの前のテーブルにはグラスが二つとオードブルみたいなものが並んでた。

「飲むでしょ?シャンパン」

キッチンに行ったゆりなが言いながら、ボトルを手に戻ってきた。

俺はコートとマフラーを取ってソファーに腰掛ける。

「うん、遅くなってごめんね」

「来てくれたからいいの。はい」

って、俺にシャンパンを差し出した。

「え?」

「開けて。私力がなくて開けらんないの」

あぁ、そう言うことか。

先の丸いコルクの頭を親指で押し出す。

程なくポンと鳴って中から泡とともにシャンパンが噴出した。

「わーー」

「あー!!」

慌ててティッシュでこぼれたシャンパンを拭いて笑い出した。

「ごめん。カーペット汚しちゃった」

「ふふふ・・・、いいよ、拭いたから大丈夫」
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