第7章 写真部
小山先輩が心配そうな顔をして出てきた。
「明智さん大丈夫?」
「あ、はい…。」
「ちょっと見てたんだけど…先に言っとくべきだったね。紫音て、ちょっとスキンシップが激しいんだ。あの子ね、ハーフなの。15歳まで海外に住んでたらしいからその…私達がちょっと驚くような行動も、彼にとってはただの挨拶程度だったりするんだ。」
「ああ、なるほど…。」
ハーフなら納得だ。
あの髪も、目の色も、恐らく天然ものなのだろう。
しかし、徹はそれを聞いてもまだ納得していないようだった。
「ハーフだかなんだか知らねえけど、ここは日本なんだよ。いつまでも海外のノリでいるんじゃねえよ。」
「ちょっと徹、そんな言い方しなくても…!」
「まぁまぁ二人とも、落ち着いて。とりあえず部室に戻ろう?」
小山先輩に促され、私達は部室に戻った。
七瀬が心配そうな顔をして駆け寄ってきた。
「どうした?気づいたら二人ともいなかったから…。」
「ちょっとね…でも大した事じゃないから大丈夫だよ。」
「そう?なら良いけど…。」
「七瀬はなにしてたの?」
「田中先輩に一眼レフについて色々教わってたんだ。あたしも欲しくなっちゃった。」
ふと田中先輩の方を見ると、七瀬が戻って来るのを待っている様だった。
「七瀬、田中先輩が待ってるよ。」
「え?ああ…じゃあもう少し先輩と話してくるね。」
七瀬は田中先輩の元へ戻って行った。
「シュリ、俺帰るわ。」
徹が鞄を持ってそう言った。
「え?なんで?」
「一応一通り挨拶とか済んだし。」
「徹が帰るなら私も帰るよ。」
私は相田先輩の元へ向かった。