第7章 写真部
「基本的には自由です!」
第一声がそれだった。
近くで聞いていた小山先輩が苦笑いをする。
「武先輩、あながち間違ってはいないけどさ…。」
「いや、これからちゃんと説明するよ?」
相田先輩は少し焦りながらも丁寧に説明をしてくれた。
普段、みんなそれぞれ好きな物を撮り、春と秋に開催される大学祭でそれを展示するらしい。
夏には部員みんなで親睦を深めるために旅行に行き、不定期だが飲み会なんかもあるらしい。
「勿論、未成年にはお酒は飲ませないからね。実質この部で飲めるのは俺と3年生だけかな…。」
「武先輩、俺ももう飲めますよ。」
それを聞いていた別所先輩が口を挟んだ。
「ああ、そうだったな。紫音はもう二十歳になったんだ。誕生日が早いって特だなー。」
「今度の飲み会楽しみにしてます。」
そう言って、別所先輩は窓際の席に戻った。
「ちなみに紫音は主に被写体だ。あのヴィジュアルは女の子受けがいいんだよー。」
「そうなんですね。徹も被写体に回れば?」
七瀬の言葉に徹はあからさまに嫌そうな顔をした。
「嫌だよ。写真撮られるの嫌いだし。」
「それは残念だ。紫音と羽山が並んだら結構良い写真が撮れそうなのになぁ。」
そう言って笑う相田先輩を見て、徹は小さく溜め息をついた。
「まぁ、うちの部はちょっと変わった奴もいるけどみんな良い奴だから、4年間楽しんでな。」
相田先輩の説明が終わり、私は桐生先輩の所へ行った。
「あ、あの、桐生先輩っ」
「んー?なにー?」
「さっき言ってたドールってなんですか?」
その瞬間、桐生先輩の目の色が変わった。