第7章 写真部
「君達新入生!?」
爽やかな笑顔で駆け寄ってきたのは、入学式の時にチラシを配っていた先輩だった。
嬉しそうに笑いながら、私達一人一人と握手を交わした。
「いやー、新入生が三人も来てくれるなんて嬉しいなぁ。見ての通り、俺含めて五人しかいないから…。」
部室を見渡すと、女性の先輩が二人、男性の先輩はこの人を含めて三人。
大勢で行動するのが苦手な私にとっては都合が良かった。
「俺は教育学部4年の相田武(アイダタケル)です、よろしくね。みんなー、集まって!」
相田先輩の呼びかけでそれぞれ活動していた先輩達が集まって来た。
「新入生が三人も入ってくれたよ!」
「廃部を免れましたね相田先輩。」
背の高い、銀縁眼鏡をかけた男の先輩が小さく笑った。
「それじゃあ、まずは新入生に挨拶をしてもらおうか!君からよろしく!」
「あ、あたしっ?」
最初にご指名を受けた七瀬は、一歩前に出て挨拶をした。
「心理学部1年の石川七瀬です。カメラとかよく解らないので…色々教えて頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。」
七瀬が丁寧にお辞儀をして挨拶を終えると、控えめな拍手が起こった。