第6章 直人の素顔
「どんな感じがいいかなぁ。」
「個人的にはアッシュ系のピンクっぽいのが似合うと思うんだよねー。シュリは可愛い系の顔だし。」
雑誌を捲りながら、七瀬が一人のモデルさんを指さした。
「こんな感じとか!」
「あ、いいかも。」
そのモデルさんはアッシュ系のピンクの髪色で輪郭より少し長いくらいのボブヘアーだった。
私は今、胸の辺りまで長さがある。
「ついでにこのくらいまで切っちゃおうかなぁ。追加料金払えばカットもしてもらえるよね?」
「大丈夫だと思うよ。相川さーん!」
七瀬に呼ばれて相川さんが小走りでやって来た。
「はいはーい。決まった?」
「うん。あのね、ついでにカットもしてほしいんだって。追加料金ってかかるよね?」
「今日はモデルとして来てもらったからカットは無料でやるよ。」
「ありがとうございます。じゃああの、色も髪型もこのモデルさんみたいにして下さい。」
相川さんは雑誌と私を見比べて、うんうんと頷いた。
「似合うと思うよー。じゃあ、シャンプー台へどうぞ。」
「じゃあ七瀬、行ってくるね。」
「うん、待ってるよ。」
私は少し緊張しながらシャンプー台へ向かった。