第4章 大学入学
その日、徹は授業中も私達から離れた席に座り、いつもは三人で帰るのに先に一人で帰ってしまった。
徹は明らかに私達を避けていた。
学校からの帰り道、七瀬に話してみた。
「徹どうしたんだろう。」
「んー、明日になったら機嫌直ってるんじゃない?」
「だと良いけど…あ、そうだ!」
私は良いことを思いついた。
今日は徹が好きだと言っていた塩の唐揚げを作って持って行こう。
「七瀬、私スーパーに寄って帰るから先に帰って?」
「うん、わかった。夕飯の買い物?」
「そうそう。徹ね、塩の唐揚げが好きだから作って持って行こうと思って。」
七瀬は苦笑いをした。
「今日はほっといた方がいいんじゃない?」
「んー、でも、なんか徹ってほっとけないんだよね。」
「まぁ、シュリがそうしたいなら良いけど…。じゃあ明日、10時に駅で待ち合わせね。」
「うん、また明日ね!」
七瀬と駅で別れ、私はいつものスーパーで買い物をしてアパートに帰った。
帰宅して、すぐに料理に取りかかった。
徹とは色々あったが、何故か放っておけない自分がいる。
私は出来立ての唐揚げを持って徹の部屋を訪ねた。