第4章 大学入学
「写真部ねぇ…。シュリが入るなら俺も入ろうかな。」
「えっ、サークルまで一緒にするの?」
「何処に入ろうが俺の自由だろ。」
徹はチラシを私に返した。
「シュリと徹が入るならあたしも写真部にしようかな。」
「そうしようよ!」
七瀬も加わり、私達は写真部に入部する事にした。
大学で初めて出来た友達。
入学式で早速友達が出来ると思っていなかったので、嬉しかった。
私達は資料を受け取り、帰路についた。
七瀬は駅の近くの高級マンションに住んでいた。
「じゃあ、あたしはここで。」
「うん、また明日ね。」
「あ、そうだ。連絡先交換しようよ。」
「そうだね!」
私と七瀬はお互いの連絡先を交換した。
「徹も教えて?」
七瀬がそう言うと、徹はポケットからスマホを取り出した。
「シュリ、お前のも教えろよ。」
「ああ、そう言えばまだ交換してなかったね。」
徹とも連絡先を交換した。
七瀬が不思議そうに私達を見つめた。
「シュリと徹ってどういう関係なの?手繋ぐほど仲良いのに連絡先知らないって…。」
「二人とも最近上京してきて、たまたま同じアパートに引っ越して来たの。彼氏とか言ったり手繋いだりするのは徹の悪ふざけだよ。」
「なるほどね。」
七瀬は漸く納得した様だ。
「それじゃあ、今日はお疲れ様。また明日ね。」
「うん、バイバーイ。」
七瀬は手を振りながらマンションの自動ドアの向こうに消えて行った。
「お嬢様か。」
徹が小さく呟いた。
七瀬の事を言っているのだろう。
確かに、こんな高級マンションに住んでいるくらいだからお金持ちのお嬢様なのかもしれない。
「みたいだねー。あ、口説いて金づるにしたりしたら許さないからね。」
「しねーよ。それに、あの手の女はそういうのに引っかからねーよ。」
徹が言うとやけに説得力があった。