第4章 大学入学
体育館に行くと、席は学部ごとに分かれているだけで、あとは自由に座っていいようだった。
私と徹は適当に空いている席に座った。
少しして、これまた一際目立つ美人でスタイルの良い女の子が声をかけてきた。
「隣、いいかな?」
女の子にしてはハスキーな声。
「あ、どうぞどうぞ。」
「ありがと。」
女の子は姿勢よく椅子に座り、細くて長い足を綺麗に揃えた。
思わず見とれてしまう様な美人。
こういう人なら徹と釣り合うんだろうな。
「…そんなに見られると照れるよ。」
女の子は微笑みながら私に言った。
「あ、ごめんなさいっ。凄く美人さんだからつい…。」
女の子は豪快に笑った。
その気取ってない雰囲気がまた良い。
「あたし、石川七瀬。あなたは?」
「明智シュリです。」
「シュリって呼んでいい?あたしのことも七瀬って呼んで?」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
「同じ年なんだから敬語やめようよ。」
七瀬に笑われてしまい、恥ずかしくなる。
「そ、それもそうだよね。」
「あたし堅苦しいの苦手なんだ。ところで、隣の手繋いでるのは彼氏?」
七瀬が身を乗り出して徹の顔を除き込んだ。