第4章 大学入学
「手伝おうか?」
「ありがとう、助かるよ。」
直人にサラダと福神漬けを入れたタッパーを運んでもらった。
こういう気が利く所も好きだなぁ…なんて思いながら、残りの物を運んだ。
直人の正面に座り、二人一緒に手を合わせた。
「いただきます。」
直人は大きな一口でカレーライスを食べた。
「うまい!」
この一言で、作った甲斐があるというものだ。
サラダを取り分けて、直人に渡す。
「野菜も食べてね?」
「実は俺、トマト苦手なんだよね…。」
直人がサラダのトマトを見て呟く。
「トマトは栄養たっぷりなんだよ?1つで良いから食べな?」
「ん…わかった…。」
直人はサラダにドレッシングをたっぷりかけると、トマトを1つ口に入れた。
あまり噛まずに飲み込み、項垂れる。
その姿があまりにも可愛くて、思わず頭を撫でてしまった。
「直人偉い偉い!」
「俺は子どもか!」
直人と居ると、楽しいし、落ち着く。
彼の、笑った顔が好き。
日に日に直人への想いが強くなっていった。