第3章 危ない夜
徹は私の服の中に手を入れてきた。
氷の様に冷たい手が肌に触れ、体が震えた。
「ちょっと、やめてよ徹っ…。」
私の言葉を無視して、徹は首筋にキスをしてきた。
冷たい手が、私の胸に触れる。
「いや、だ…やだ…。」
「お前ハジメテ、だろ?」
クス、と耳元で徹が笑った。
恥ずかしくて顔が熱くなる。
私は身を捩って徹から逃れようとした。
「ホントにやめて…。」
声が、震える。
「…怖い?優しくするよ?」
「そういう問題じゃないっ。」
好きでもない人にこんな事をされて、嫌悪感しかなかった。
助けて直人…。
心の中でそう呟く。
しかし、今は叫んでも直人には届かない。
直人は仕事で留守だから。
徹は体を起こして素早く私の上に股がった。
両手を押さえ付けられ、徹の顔が近付いてくる。
私の唇に徹の唇が重ねられた。
私のファーストキスは、こんな形で奪われてしまった。