第22章 約束の日
「七瀬は、家でシュリの話をよくしていたらしいんだ。だからもしかしたら俺達を探すために君達に迷惑をかけるかもしれないと思って、君達の前からも姿を消すって決めたみたいだよ。」
「そんな…紫音先輩、七瀬は?一緒にいるんですよね?七瀬に代わって下さい!」
「シュリ、申し訳ないけどそれは出来ないよ。」
「どうしてっ…。」
「七瀬の気持ちを考えてあげて。君達と関係を断ち切ることは、七瀬にとって凄く辛いことなんだ。今君と話したら、別れが辛くなるでしょ?」
そう言われてしまうと、それ以上何も言えなかった。
「…分かりました。でも、最後に1つだけ、七瀬に伝えてほしいことがあるんです。」
「なに?」
「例えもう会えなくても、離れてても、ずっと友達だよって。」
涙を堪えて、そう伝えた。
「…わかった、伝えとくよ。それじゃあシュリ…バイバイ。」
「さようなら、紫音先輩…。」
電話を切った瞬間、涙が溢れた。
それを見た徹が心配そうな顔をした。
「おい、どうした?」
あまりにも悲しすぎて、泣くことしか出来なかった。
声を上げて泣く私を、徹は黙って抱きしめてくれた。