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薔薇と向日葵

第2章 出会いの春


「ご馳走さまでした!いやー、久しぶりにこんな美味しいご飯食べたわ!」

「それは良かったです。」

池田さんはお腹を擦りながら満面の笑みを浮かべた。

私が食器を下げると、池田さんが隣に来た。

「俺が洗うよ。」

「え?いいですよそんなっ…。」

「こんなに美味しいご飯作ってもらったんだから、それくらいやらせて?」

「じゃあ…私が洗うから拭いて貰えますか?」

「了解!」

私が洗った食器を池田さんが拭き、棚にしまう。

池田さんとなら無言も心地好いが、せっかくなので話しかけてみた。

「池田さんて、何歳ですか?」

「俺?22だよー。」

「22!?私と4歳しか違わないんだ…もっと年上かと思ってました。」

「社会人になると学生みたいな輝きがなくなるからなー。」

「輝きって…!」

その例えが面白くて、声を出して笑ってしまった。

「明智さんは進学と共に上京って感じ?」

「そうです。4月から埼玉大原大学に通います。」

「あー、あそこね。結構偏差値高いよなー。頭良いんだね。」

「いやいや…。」

その時、ふと思い出した。

4月から、徹も同じ大学に通うのだ。
しかも同じ学部…。

思わず溜め息をついてしまった。

「どうしたの?」

池田さんが首を傾げた。

「…徹も、4月から同じ大学に通うんです。しかも同じ学部。」

それを聞いた池田さんは苦笑いをした。

「あー…そうなんだ。」

「もう憂鬱で…。」

「ていうか、羽山くんと何があったの?」

一瞬、話すのを躊躇ったが、池田さんなら話しても問題ないだろう。

私は今日1日の出来事を話した。
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