第21章 すれ違う心
事故から2週間が経ったが、徹は目を覚まさない。
その間、涼は毎日面会に来てくれた。
「徹さー、ちょっと寝過ぎじゃない?」
涼なりに気を使ってくれているのか、明るく徹の話をしてくれる。
「…そうだね。」
しかし、それに笑って答えられるほどの余裕はなかった。
「シュリ、徹は絶対に目覚ますから大丈夫だよ。」
「うん…。」
「僕ね、毎日集中治療室の前で徹に話しかけてるんだ!早く起きろーって!」
涼は色々話してくれたが、内容はほとんど頭に入って来なかった。
どうして神様は、徹の命まで奪おうとするのだろう。
奪うなら、私一人にしてほしい。
私はどうなっても良いから、どうか、徹だけは助けて下さい。