第21章 すれ違う心
徹が…事故にあった…?
「え、なに言ってるの?だって昨日会いに来てくれたよ?」
「多分、その帰り…赤信号なのに渡ってしまったみたいなの。」
「え…え?どうして?なんで?ねぇ、徹は?大丈夫なんだよね?お母さん…?」
「今、意識不明で集中治療室に入ってるらしいわ。」
頭の中が真っ白になった。
呆然とする私を、母は強く抱きしめた。
しばらくそうしていた。
ようやく状況を理解した私は、母を突き飛ばしてベッドから出ようとした。
私を押さえ付ける母の腕の中で暴れた。
「離してお母さん!徹に…徹に会いに行かなきゃ!!」
「心配な気持ちは分かるけど、あなたも病室から出ちゃいけないの!」
「私は大丈夫!だから離してっ、徹の所に行かせてっ…!!」
私は興奮したことで呼吸が苦しくなり、咳き込んだ。
赤信号で渡ってしまったなんて…もしかしたら昨日、私があんなことを言ったから周りが見えなくなってしまったのかもしれない。
「きっと私のせいだ…。」
激しい後悔と絶望に襲われた。