第21章 すれ違う心
徹がくれた指輪が、今の私には眩しすぎた。
「私だって徹と二人で幸せになりたいよ。でも、それが叶うか分からないでしょ?徹なら絶対にいい人と出会えるから…。」
「シュリ。」
徹が私の言葉を遮った。
「二度と、そんなこと言うな。」
「これは私からのお願いだよ。」
「いくらお前の願いでも、それは聞けねえな。」
徹は静かに怒っていた。
今、お互いに何を言っても無駄だろう。
「徹、今日はもう帰って?」
「…わかった。」
徹は帰る支度をし、病室を出た。
徹がくれた指輪を見つめ、涙が止まらなかった。
19歳の誕生日。
人生で一番辛い誕生日になってしまった。