第21章 すれ違う心
「ありがとう…。」
「それは、あれな。婚約指輪だから。」
徹が若干恥ずかしそうに言った。
涙が止まらなかった。
生きたい。死にたくない。
ずっと徹の傍で笑っていたい。
でも私は、50%の約束を守れるか分からない。
「徹…。」
「ん?」
「怒らないで聞いてね?」
「なに?」
私は涙を拭い、深呼吸をして心を落ち着かせた。
「もしも、私が死んじゃったら…私のことは思い出にして、他にいい人見付けて幸せになってね?」
徹は眉間にシワを寄せた。
「なにふざけたこと言ってんだよ。」
「徹には、幸せになってほしいの。」
「お前と二人で幸せになる。」
「私ね、この前感染症起こしてから死を身近に感じるようになったの。今回は助かったけど、またいつどうなるか分からないでしょ?だから…。」
「俺はお前以外は愛さない。」
徹ははっきりとそう言った。