• テキストサイズ

薔薇と向日葵

第21章 すれ違う心


「ありがとう…。」

「それは、あれな。婚約指輪だから。」

徹が若干恥ずかしそうに言った。

涙が止まらなかった。

生きたい。死にたくない。
ずっと徹の傍で笑っていたい。

でも私は、50%の約束を守れるか分からない。

「徹…。」

「ん?」

「怒らないで聞いてね?」

「なに?」

私は涙を拭い、深呼吸をして心を落ち着かせた。

「もしも、私が死んじゃったら…私のことは思い出にして、他にいい人見付けて幸せになってね?」

徹は眉間にシワを寄せた。

「なにふざけたこと言ってんだよ。」

「徹には、幸せになってほしいの。」

「お前と二人で幸せになる。」

「私ね、この前感染症起こしてから死を身近に感じるようになったの。今回は助かったけど、またいつどうなるか分からないでしょ?だから…。」

「俺はお前以外は愛さない。」

徹ははっきりとそう言った。
/ 280ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp