第21章 すれ違う心
「シュリ、誕生日も無菌室かもな。」
「僕、お祝いする気満々だったんだけどなー…。」
涼が悲しげに目を伏せた。
「ちなみに徹はもうプレゼント買ったの?」
「え?いや、まだ買ってないけど…。」
「えー!彼氏としてありえないよ徹!誕生日まであと1週間だよ!?」
ありえない、信じられないと文句を言う涼は何て言うか…ノリが女みたいだ。
「お前は何か買ったのかよ?」
「もちろん!」
涼は誇らしげな笑みを浮かべた。
「何買ったの?」
「病院で着れるように、夏用のパジャマとあと帽子!」
両方とも、今のシュリが一番使う物だ。
俺なんか、自分で考えもせずにシュリに何が欲しいか聞いてしまった。
「涼はすげーな…。」
思わず口をついた言葉。
すると突然、涼が何かを思い立ったように手を叩いた。
「そうだ、今日は徹がシュリに渡すプレゼントを一緒に探そうよ!」
涼と買い物…考えただけでめんどくさかった。
絶対に長くなるし、絶対に横から煩く口出しされる。
しかし、気晴らしにはなるかもしれない。
俺は涼の誘いに乗った。