第19章 徹と涼
食事を終え、涼は明日も学校があるため家に帰った。
私と徹は2階にある私の部屋へ行くことにした。
しかし、階段を見上げて溜め息が出た。
かなり体力が落ちている為、この階段は少し辛い。
すると、徹が私を抱き上げた。
母とエミリは驚き、父は見てみぬフリをしている。
「階段、辛いだろ?」
「あ、うん…ありがとう。」
徹はそのまま階段を上がって行った。
二人で部屋に入った。
久しぶりの自分の部屋だ。
私達は二人並んでベッドに座った。
二人きりになった瞬間、徹は溜め息をついた。
「あー…性に合わねえことは疲れる。」
「やっぱり無理して好青年演じてたんだ。」
分かってはいたが、思わず笑ってしまった。
徹はネクタイを外し、ベッドに寝転がった。
「演じてたっつーか…やっぱりちゃんとしねえとだろ。」
「徹、大人になったね。」
「馬鹿にしてんの?」
「違うよー。でも七瀬にも見せたかったなぁ。」
クスクスと笑っていると、唐突に徹が話し出した。