第19章 徹と涼
「徹、明日は仕事?」
「休みだよ。」
「じゃあ徹さん、今日はうちに泊まっていけばいいじゃん!」
私達の会話を聞いていたエミリがそう言った。
私は…出来たらそうしてほしい。
明日の午後にはまた病院に戻る。
次、いつ外泊が出来るか分からない。
少しでも長く徹と一緒にいたかった。
私は父に視線を送った。
この人の許可なく徹を泊まらせることは出来ない。
「シュリは、どうしたい?」
父が聞いた。
「徹に泊まっていってほしい…。」
私はそっと、隣にいる徹の手を握った。
「…わかった。徹君が大丈夫なら泊まっていきなさい。」
徹を見ると、優しく微笑んでいた。
「俺は大丈夫だから、泊まらせてもらうよ。」
「うん!」
嬉しかった。
久しぶりに長い時間、徹と一緒にいられる。
前は当たり前だった事が、今は凄く貴重で嬉しかった。