第19章 徹と涼
翌日の午後、徹と涼が一緒にお見舞いに来てくれた。
「シュリー!徹、今日面接したんだけどその場で採用されたよ!」
徹の事なのに自分の事の様に喜ぶ涼。
「良かったね、徹!」
徹は小さく頷いた。
二人と話していると、新井先生がやって来た。
二人と新井先生が会うのは初めてだ。
「こんにちは、シュリさん。彼らはお友達かな?」
「えっと…彼氏と、幼馴染みです。」
涼は元気良く挨拶をし、徹は軽く頭を下げた。
「ちなみに彼氏はこっちです!」
涼が徹を指さした。
わざわざ言う事でも無い気がするが…。
「シュリさん、後でご家族が来たら改めて詳しく説明するけど、次の段階に進めそうだよ。」
「ホントですか!?」
「うん、もう一度骨髄検査をして、寛解状態になってる事を確認できたらね。そしたら一度外泊も出来るけど…どうする?」
「外泊できるんですか!?したいです!」
新井先生はニッコリと笑った。
「先生、シュリの治療は上手く行ってるってことですか?」
徹が真剣な表情で新井先生に問いかけた。
「うん、今の所は順調だよ。」
「そうですか…。」
何故か、徹の表情は晴れなかった。
涼は何度も、良かったね、良かったねと言いながら笑っていた。