第19章 徹と涼
「徹、僕達友達だからね!これからは何でも話してね!」
涼が泣き止んだ頃、涼の中で俺達は何故か友達になっていた。
「は?友達って…。」
「僕はシュリの幼馴染みで、君はその彼氏なんだから、僕達は友達だよ!」
どういう理屈だよ…。
半ば呆れて溜め息が出た。
「お前、何なんだよ…。」
「君の友達!」
「勝手にそう思ってろよ。」
その後、強引に連絡先を交換させられ、涼は清々しい笑顔で去って行った。
今まで女が尽きたことは無かったが、男友達と呼べる奴はいなかった。
何となくつるんでる。
その程度の奴なら沢山いたけど。
あんな風に真っ向から"友達"なんて言われたのは初めてだ。
思わず笑ってしまった。
柄にもなく、少し嬉しく思う自分がいて。
アパートに帰ると、タイミング良く涼からメールが来た。
"明日、履歴書持って10時に駅に来てね!"
ああ、早速面接か。
行動力のある奴だな…。
"わかった。"
それだけ送ろうとし、送信ボタンを押す前にもう一度文章を書き換えた。
"わかった。サンキュ。"
それを涼に送信した。