第18章 徹の決断
治療を始めて3週間が経った。
幸い順調に治療が進んでいる私は、無菌室から通常の病室に移った。
今は、次の治療に進むための準備期間の様なものだ。
しかし、一つ不安なことがあった。
通常の病室に移った私は、徹に電話をかけた。
しかし、何度かけても徹は電話に出ない。
何かあったのだろうか…不安だった。
病室で、田中先輩がくれたフォトアルバムを見ていると、パタパタと廊下を走る音がした。
「お姉ちゃん!!」
エミリが勢いよく病室に入ってきた。
「エミリ、病院では静かにしなさい。」
「そんなことより、お姉ちゃん!あのねっ…!」
エミリが何かを言いかけたのとほとんど同じタイミングで、後ろから現れたその人。
「よ、シュリ。久しぶり。」
ずっとずっと、会いたかった人。
「徹っ…!」
徹が、会いに来てくれた。